2014年5月14日水曜日

2014/05/03〜05 Riv.Segire gorge in Yakushima #4

2014/05/03〜05 屋久島 瀬切川 ゴルジュ遡行(後書き)
Unfortunately this text is in Japanese only.
屋久島の沢では宮之浦川と小楊子川で2大険谷、瀬切川を加えて3大険谷と言われている。
それはきっと圧倒的なゴルジュ帯に日本でも随一の降雨に磨かれた弱点のないスラブ滝が配置されているためでしょう。しかし実際に瀬切川を遡行した人は屋久島3大険谷という割りには「易しい谷」と思うに違いありません。
それは事実なのですが、難易度はルート次第で裏を返せば直登をほとんど許さない程険しい谷でありながら、現場の地形を正確にみれば比較的容易な巻き道を準備してくれている「優しい谷」が正解かと。
表向きは厳しい表情を見せながらどこかに逃げ道をそっと空けていてくれる男性的な秀渓と思う。
また、ゴルジュの先には美しい淵や瀬が配置され、平瀬に達すると今までのダイナミックな渓相がうその様に穏やかな表情になるのも印象的です。

日程は足の速い強力なパーティーや最小限ビバークの軽量速攻装備なら早朝に瀬切橋を出発し平瀬までなら1日で到達、林道を残業して日帰りなんて事も不可能ではないと思う。
我々の様な「なんちゃって沢ヤ」なら早朝に瀬切橋出発なら沢中1泊、できれば沢中2泊でのんびり楽しんで欲しい。もちろん天候と相談して。初級者だけでは行かないでね♥

源頭に詰め上がるのも良いが日程の都合もあり、平瀬から林道で下山したがこの10km以上の行程が核心でもあった。行程次第では上大川橋から再入渓して大川下降も考えていたが、例の如くのんびり遡行で時間もなく雨も降り続いていたためこの選択肢は消えた。

下山してバスの時間まで1時間あったので、大川の滝を見たことのないシゲさんと付き添いの百さんで滝を見物に。ちゃんと登攀ルートは確認したかな?

百さんは寒いらしく「宿は海辺でも道端でもどうでも良いのでとりあえず風呂に入りたい!」という。風呂と言えば湯泊、尾の間、楠川あたりだろうが。。。
大川バス停はまだ少し雨が降っていたが、乾いた服に着替えて雨具を付けると何とか一般観光客と同レベルの社会的でバスに乗車可能な格好になった。とりあえず先のことは考えず宮之浦まで行き立ち寄り風呂を探すことにするが、着替えて暖かくなったのか風呂の優先順位は下がりビールが代頭してきたらしい(^_^;
そこでバスの到着時刻と最終のトッピーの時刻を調べ時間的には間に合いそうなのでキャンセル待ちに賭けてみることにする。連休最終の一日前だから...と甘い期待をして。因みに携帯電話は大川バス停では不通で栗生あたりからdocomoが、Auもそのうちに通信可能になった。

大川バス停で会った熊本の若い男女2人は屋久島は2回目で、どちらも荒川や白谷から鹿の沢小屋を越えて花山歩道で雨の中下山という変なこだわりのある縦走スタイルだ。
「次回こそは晴天の花山歩道を下りたい」という男性に「最初普通は淀川~荒川か白谷やろ!」と我々から突っ込まれたのは言うまでもない。
しかもココに2回も下山してるのに大川の滝を見たことがないという。「バスの待ち時間で十分行けるよ」と薦めると女性は行きたそうだったが若い男性いわく
「登った先にたまたま滝があったら嬉しいケド、観光地の滝を見ても面白くない」という...
今はクライミングや易しい沢に行っているらしい。「この男近い将来、絶対沢ヤになるゾ!」と思いながらニヤけていた。

バスが到着すると往きと同じ運転手さんだったので一昨日のお礼を言って乗り込む。
乗車客は大川の滝を見物に来た若い女性達やカップルで、cityスタイル。我々の様なカッパスタイルが浮いてしまう。

そんな中、途中のバス停で我々と同じ匂いのする、パンパンに膨らんだ重そうな80Lザックを背負った汚い奮闘の痕がうかがえる3人の沢ヤが乗車してきた。ふと見ると [ピナクル山の会] の"とりにく"さんではないか!
聞くと女川に海から入渓して愛子岳まで詰めたらしい。下部出だしの緩やかな淵に嬉々としてたらしいが一変した連瀑帯にメッタ打ちのへロヘロ状態だ。
[屋久島遡行人さん] のレポ見てたメンバーもいたみたいだが、「女」って名が付いてるんだから最初は優しくても豹変するのは予想しろよ!って。3人ともまだ若いから人生の苦い経験が沢に生かされてないみたいだなぁ~、まだまだ甘いよ君達(^_^;
居酒屋で一緒に一杯やりたいのは山々だけど、我々はホームレスなので別れを惜しみつつ彼らは途中下車。

宮之浦港に着いてトッピーの予約を確認すると「3人空いてますよ♥」って事で速攻でチケットを購入しすぐさま乗船。トッピーとロケットで談合合併して競争原理が失われたからか、片道¥9,100って一時値下げ競争当時の往復料金に迫る驚きの料金!

ウトウトしてる間に指宿経由で鹿児島港に到着。いきつけの長寿温泉を目指すがすぐ近くに駐車場付き温泉銭湯を発見してこちらに変更。出来れば湯泊の海岸露天風呂につかりたかったが、それはまたの機会にしよう。

湯につかりながら遡行を思い返してみる。今日の午前中まで沢中に居たとは思えず何か夢でも見てたかの様な錯覚に陥る。リーダーとして軽量化を指示しておきながら、今回ワタシが一番軽量化に失敗していた。缶ビールと酒に食糧、ガチャ類は持っていかないと心に決めてたのに気付くと腰にはカム、QDやハーケンがジャラジャラと下がっていた。おまいら険谷瀬切川をナメとんな!
毎度の事だが緊張でオシッコ チビリそうなのに沢に足を踏み入れた瞬間にどこ吹く風。マルチピッチクライミングでチビッたら「滲み出しぷ〜ちゃん」とかニックネーム付けられそうだが、沢なら「大」でなく「小」ならNo problem at all ♪

九州本土の沢と比べて屋久島の沢は谷のスケールが大きいため気持ちが呑まれない事が大切。ゲレンデ沢と同じ難易度の場所が通過不可能に思えてきたりしないためにも。逆に言えば同じ難易度の沢だとより大きな充実感でお得かもしれない。

瀬切川で巻いている時、ふと昔に沢Gさんに連れられて行った沢を思い出していた。皆、「癒しの沢だから...」の文句に何度騙された事か。

尾鈴山系の倉谷...ビレイはしてるものの決して落ちれない際どいドロ壁のトラバース、目の前ではヒルの大群がピョンピョン跳ね狂喜乱舞の歓迎ダンス祭り。たとえヒルが首飾りの様にぶら下がっても絶対にこのホールドは離さないゾ!というシチュエーション。

「下山核心」同行者は幾度この言葉を噛みしめたことか。記録の無い沢の尾根を拾い転げ落ちる様な傾斜を立木頼りに下山...いや、あれはクライムダウンだ。

それらの経験の積み上げが知らない内に険谷と言われる谷の遡行を楽しめる程にしてくれている。低山・藪沢恐るべし。

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